以前より WordPress 5.5 へのアップデートが予告されていた通り、今日通知が表示されたのでボタンを押して変化を見てみました。
ということで、
この記事で分かること
- ブロックエディターの変更点
- テーマとプラグインの自動更新機能追加について
- Sitemap 送信と画像の遅延読み込み機能が標準になることについて
- アプデ後に不具合が出た時の対処法
では、さっそく参りましょう。
ブロックエディターの変更点
WordPress 5.5 では、主にデザインが多く変わっていますが、「パターン」という項目が追加されたことがもっとも大きな変更点になります。
「線」をほとんど使わないデザインに変更
これまでボタンなどは「線」で囲われるようなデザインが使われていましたが、WordPress 5.5 からはほぼ「線なし」のデザインに変更されました。
5.4 のデザイン
5.5 のデザイン
ブロックの追加ボタンも円形だったものが、真四角のボタン()に変更されています。
ポップアップからメニューバースタイルに
「ブロックの追加」を押すと、これまでポップアップのスタイルでブロックの一覧が表示されていました。
今回からは、左側にメニューバーのように表示されるようになっています。
5.4 のデザイン
5.5 のデザイン
左側にブロック一覧が表示されると同時に、右側に表示されていた「設定」のメニューが非表示に切り替わるようになっていますね。
ブロックのカテゴリーが変更に
ブロック一覧ではカテゴリー分けされていますが、「名称」と「区分け」が変更されました。
- WordPress 5.4:一般ブロック、フォーマット、レイアウト要素、ウィジェット、埋め込み
- WordPress 5.5:テキスト、メディア、デザイン、ウィジェット、埋め込み
テキストでよく使うブロック、メディアを挿入する時のブロックなど、以前より分かりやすくなっています。
ブロックのアイコンも変更に
ブロックの一覧に表示されていたアイコンが、いくつか変更されました。
変更されたアイコン
見出し、詩、カバー、動画、グループ、アーカイブ、カレンダー、カテゴリー、最新のコメント、タグクラウド、検索、最新の投稿、ボタン、区切り
アイコンだけではなくて、「最新の記事 ▶︎ 最新の投稿」とマイナーチェンジしている部分もチラホラあります。
再利用ブロックの位置が変更に
5.4 ではブロック一覧の最下部に表示されていた「再利用ブロック」ですが、「ブロック」と並んで別タブとして表示されるようになりました。
5.4 のデザイン
5.5 のデザイン
パターンが選べるように
これまでボタンを複数で表示させたり、画像を含むカラムを作るときは、自分でいちいちブロックを追加・編集する必要がありました。
でも、よく使われるであろう組み合わせを「パターン」として利用できるようになりました。
利用できるパターン
2ボタン、3つのボタン、2カラムのテキスト、画像を含む2カラムのテキスト、ボタンを含む3カラムのテキスト、2つ並べて表示する画像、見出しを含む大きなヘッダー、見出しとボタンを含む大きなヘッダー、見出しと段落、引用
様々なパターンを使えるようになっていますが、ブログ向けというより、どちらかというとコーポレートサイトや LP 向けな機能ですね。
プレビューでスマホ表示も確認可能に
これまでは「プレビュー」のボタンを押すと、別タブで PC でのプレビュー画面が表示されていました。
5.5 からは、エディター画面のまま、「デスクトップ」「タブレット」「モバイル」表示を想定したプレビュー画面を見れるようになりました。
今まで通りに別タブで確認したい場合は、「新しいタブでプレビュー」を押せば見られます。
エディター画面上で画像編集が可能に
これまでは、編集された画像しかエディター上に持ってくることができませんでした。
でも 5.5 からは、画像の上に表示される「キリトリ」ボタンを押すと、エディター画面上で「アスペクト比」「ズーム」「回転」「位置を調整」が行えるようになりました。
文章の中に画像を入れてみるとイメージと違ったということもあるので、すぐにエディター内で編集できるのは便利ですね。
今回1番の謎機能「コピー」
ブロックの上にあるメニューの中に、「コピー」の機能が追加されました。
「コピー」を押すとブロックの内容がクリップボードにコピーされるのですが、「貼り付け」が表示されるわけでもないので、普通に自分でペーストするしかなさそうです。
なぜ追加したのか謎なので、利用方法が分かり次第追記します。
新しい書式で表示できるように
数式によっては下寄りだったり上寄りに数字を表示したいことがありますが、5.5 から簡単に設定できるようになりました。
ブロックの上にあるメニューの「」を押すと、「上付き」「下付き」を選択すると変更できます。
「カバー」で文字の位置を自由に
「カバー」のブロックでは、文字の位置を左右または中央しか選択できませんでした。
5.5 からは、画像全体を9つに区分けされて、右上や左下などでも表示できるようになりました。
複数のブロックの文字色の変更が可能に
これまでもブロックを複数選択することはできましたが、複数選択したうえで文字の「大きさ」「色」が変えられるようになりました。
プラグインをエディター画面でインストールできるように
記事内で利用したい機能がない場合は、これまで「プラグイン」の画面から探す必要がありました。
でも 5.5 からは、「ブロックの追加」から検索することですぐにインストールできるようになりました。
ただ利用できるプラグインはまだ限られているので、現状としては下記 URL で紹介されているものだけになります。
>> https://wordpress.org/plugins/browse/block/
テーマとプラグインが自動更新に
これまでは WordPress のコアでマイナーアップデートがあった時だけ自動更新でしたが、「テーマ」と「プラグイン」も自動で更新してくれるようになりました。
ただ、デフォルトは「手動」になっています。
そのため、自動更新にしたい人は、自分で設定を変更する必要があります。
テーマを自動更新に設定する手順
「外観 → テーマ」に入って、自動更新にしたいテーマの詳細に入ります。
そして、「自動更新を有効化」と書かれた部分があるので、それをクリックするだけで有効になります。
プラグインを自動更新に設定する手順
普通に「プラグイン」の一覧を表示させると、「自動更新」という項目が表示されるようになっています。
そして、「自動更新を有効化」と書かれた部分をクリックすると、有効化が完了となります。
自動更新に関する注意点
「テーマ」と「プラグイン」が自動で更新されることで、面倒な手間が省けます。
ただ、1つだけ注意点があります。
「プラグイン」の更新でたまにあることですが、更新したことで機能しなくなったり、テーマと合わなくなることで画面が真っ白になることもあります。
すぐに対応できる環境・スキルがあれば「自動更新」にしても問題はないですが、WordPress にあまり慣れていない人はあまり自動更新はおすすめしません。
Lazy Loading がデフォルトに
画像の読み込みだけを遅くして、サイト全体の読み込みを早くする「Lazy Loading」の機能がデフォルトになりました。
画像を普通に挿入するだけで、自動的に遅延するためのタグ「loading=”lazy”」が入るようになっています。
SEO 系プラグインのオプションとして有効にしている場合は、プラグイン側の対応をちょっと待ってみましょう。
サイトマップがプラグイン無しで送信できるように
今回のアップデートで1番の目玉と言えるのが、サイトマップの標準化です。
サイトマップのために、
- Google XML Sitemaps
- All in One SEO Pack
- Yoast SEO
を導入している人は多いと思いますが、これらのプラグインが要らなくなる、もしくは機能を停止して良くなるということですね。
送信するサイトマップが変わります
これまで、サーチコンソールに「https://ドメイン/sitemap.xml」で送信していたはずです。
5.5 からは「https://ドメイン/wp-sitemap.xml」となるので注意が必要です。
少し懸念する点
サイトマップが標準化されたのですが、記事の更新日が送信されていないのでまだ利用しない方が良いという声がいくつかありました。
もし心配な人は、以下のコードを使ってサイトマップの標準化を無効にしてみるのも良いでしょう。
add_filter( 'wp_sitemaps_enabled', '__return_false' );
【参考記事】https://make.wordpress.org/core/2020/07/22/new-xml-sitemaps-functionality-in-wordpress-5-5/
もし不具合が出た時の対処法
もしアップデート後に不具合が出た場合は、落ち着いて対処しましょう。
不具合が出たらまずやっておきたいことは、
- ブラウザのキャッシュをクリア
- バージョンを最新にする
ブラウザのキャッシュをクリアする
ブラウザのキャッシュが残っていると、新しくなった部分と古い部分が混在する状態になってしまいます。
そうなると、サイト自体のデザインや管理画面の不具合、ボタンなどが機能しなくなることがあります。
まずは、ブラウザのキャッシュをクリアしてみましょう。
キャッシュをクリアにする手順
バージョンを最新にする
テーマやプラグインのバージョンが古いと、ボタンのかけ違いのような現象が起きることがあります。
使っているテーマは最新のバージョンになっているか、プラグインに問題はないかを確認してみましょう。
また、PHP のバージョンを更新するのを忘れる人が多いので、そちらも確認しておきましょう。
色々試してもダメな場合
たまに、テーマやプラグインがアップデートに間に合っていない場合があります。
そのときは、それらのアップデートを待つか、直前の 5.4.2 にダウングレードするというのも1つの手です。
ダウングレードの方法は、WordPressのアップデートで不具合が!バージョンを戻す方法を2通り紹介【プラグインでも可能です】の記事で解説しています。
まとめ:プラグインがいくつか不要に
以上で、WordPress 5.5 について簡単に紹介しました。
Lazy Loading の機能とサイトマップが標準になるというのは、かなり大きいですね。
ただ、これらのプラグインを使っている人は多いので、削除したり無効にして特に変化がないかちゃんと確認する必要があります。