朝起きてから夜寝るまで、細かいものも含めて現代人はどれほどの「選択」をしながら日々生活をしていると思いますか?
ある調査によると、9000 回以上とのこと。
[say]そりゃ、毎日疲れちゃうはずだよね。[/say]
それだけの数の「選択」を意思決定しているので、夜になってくると何も考えたくなくなることってありますよね。それも、「決断疲れ」によるものかもしれません。
そうなると「正しい選択」もできなくなるので、「決断疲れ」にならないように対策しておきましょう。
「決断疲れ」による弊害
選択が多過ぎるがゆえの「決断疲れ」と言われても、あまりピンとこない部分もありますよね。
なので、これを単純に「体の疲れ」に置き換えると分かりやすいです。
あまり動かなければ疲れませんが、やはり体を動かす回数が多ければ疲れますよね。
しかも、筋トレなど負荷が大きいともっと疲れやすくなりますよね。
そこで、よく動いてとても疲れた日の夜はどうでしょうか?
もう動く気もしなくて椅子に座ったまま何もしたくなかったり、いつの間にか眠ってしまうこともありますよね。
「脳」もこれと同じで、「選択」をする回数が多ければより疲れ、重要な「選択」を迫られた場合にも疲れやすくなります。
「選択」の多かった日の夜ともなれば、疲れて何も選びたくなくなるでしょう。
夜と言いましたが、人によっては夕方、昼頃にはもう「決断疲れ」になってしまうかもしれませんよね。
すると、こんな弊害が出てきます。
脳の疲れにより起こりうること
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- 正しい決断ができなくなる
- お金の無駄使いをする可能性がある
- 自由な時間を無駄にする可能性がある
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重要な決断を見誤る可能性
体でも同じですが、スポーツをして疲れきった状態で正確にボールを投げたり蹴ったりすることってできないですよね。
それと同じで、「決断疲れ」をしてしまっている状態では、重要な場面において正しい意思決定をすることが難しくなります。
お金を無駄に使ってしまう可能性
「決断疲れ」の論文で一躍有名になった Jonathan Levav 教授によると、あまりにも種類の多い商品を選ぼうとするとそれだけで疲れてしまい、決断を放棄してしまうのだそうです。
そうなると正しい決断も下せなくなるので、余計なことにお金を使ってしまうことにも繋がるそうです。
教授たちが行った研究では、家の内装を選ぶ際に選択が多かった場合、意思決定することを放棄して高いにも関わらず「オススメの商品」などを選ぶ傾向にあったそうです。
[say]もしかすると、オプションがとても多い携帯会社のプランにおいて、より高いものを選んだりしている可能性がありますよね。[/say]
自由な時間を無駄にしている可能性
選択の多い生活を送っていると、体は疲れていないのに気力だけがなくてボーッとしてしまう時間が多くなってしまうはずです。
ササっと終わることにも時間がかかり、本来するべき事やしたかった事が出来なかったりすることもあるでしょう。
そうなると、せっかくの自由な時間がもったいないですよね。
「決断疲れ」をして脳が疲れてしまうと、それだけ無駄な時間が増えてしまう可能性も高くなります。
「決断疲れ」を解消する3つの方法
「決断疲れ」をしないようにする方法は、誰にでもできるとても簡単な方法があります。
それは、選択する回数を減らすこと。
朝起きてから夜寝るまでの選択する数を少しでも減らすことで、正しい選択をしたり、充実した自由時間に変えることが出来ます。
でも、どのようにして選択する回数を減らせば良いのか分からないですよね。
選択の回数を減らす3つの方法
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- ルーティーン化する
- 最初から選択の幅を狭くしておく
- 最初からルールを決めておく
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毎日のことはルーティーン化する
一番始めやすいのは、毎日行うことを「ルーティーン化」するというもの。
朝起きたら、コーヒーを入れて、毎日同じパンを食べて、決まった色のスーツを着て、毎日同じ時間にメールチェックをしてと決めておくと、それだけ「選択」の回数が減ります。
これが有効なのは、大して重要ではないことに対して行うということ。
細かい「選択」を減らすことで、大きな「決断」を下す時に大いに力を発揮できるでしょう。
毎年世界の長者番付で3本の指に入っている「投資の神様」 Warren Buffett なんかは、毎日朝はマックのハンバーガーを食べると決めているそうです。
これも、「ルーティーン化」ですね。
選択の幅を狭くしておく
「選択」にはどちらかだけではなく、「複数」の中から選ばなければならないこともあります。
そうなると選ぶだけでも時間がかかりますし、そのことだけにおいても「選択」の数が増幅してしまいます。服が何着もあったら、それだけ色合いなどを比較したりしてしまいますからね。
そのため、最初から選択の幅を狭くしておくとそれだけ回数が減ります。
有名なところでは、アメリカの元大統領 Barack Obama がスーツの色をグレーかブルーしか着ないようしていたそうです。
そうすることで、選択の幅を狭くして、国を左右するような決定をできるようにしていたというわけです。
最初からルールを決めておく
毎日行わないことに関しては、自分で最初からルールを決めておくとそれだけで「選択」の回数が減ります。
例えば、服の買い物に行った時に 30 分悩んだらその日は買わないなど。
選択をする時間が多くなればそれだけ数も増えて正しい「決断」をすることもできなくなるので、あらかじめ意思決定を設定しておくとラクになります。
疲れを解消する2つの方法
普段から「選択の回数」を減らす努力をしていても、どうしても重要な決断をしなければならない事が立て続けにあったりして疲れることもありますよね。
そんな時は、脳の疲れを解消してあげましょう。
何もしない時間を作る
今はちょっとした暇な時間でもスマホを触るという人も多いかもしれませんが、気分が休んでいても「脳」は選択する回数が増え続けるだけです。
今日はどうも頭が疲れているなと思ったら、「あえて何もしない」ことをしてみましょう。
その時はスマホなどを見ることもせず、ボーッと景色を見ながら散歩などをするのも効果的です。
仮眠をとる
頭が疲れたと思ったら、「仮眠」をとることはとても効果があります。
とはいえ、あまり長い時間ではなく 10 分〜 15 分くらいにとどめておくと良いでしょう。
「記憶力」を高めることにも効果があるので、記憶を良くしたい人も「仮眠」をとってみましょうね。
マーケティングにおける話
ここからはちょっとマーケティングの話となるので、興味がある人だけ気にしていただければと思います。
先ほどもチラッと登場した Jonathan Levav 教授なんですが、スーパーである実験をしたのだそうです。
それは、24種類のジャムと6種類のジャムを置いた時にどれだけ購入されたかという内容。
結果から先に話すと、24 種類は 5%、6 種類では 30% の人が購入していったそうです。
つまり、選択の数が少ない方が購入されたということですね。どちからというと選択の多い方が人は喜びそうですが、結果的には選択の数が少ない方がお客さんにとってはストレスなく買い物ができたということになります。
ですが、お客さんによっては選択が少ないと文句を言う人もいるわけです。
これは、自分にとって興味があることには選択の数が多くてもストレスと感じることもなく、あまり興味がない場合には選択が多いと買う気も失せてしまう場合もあるということです。
自分が好きなことの場合、選択肢が多いと選びたい放題と思ってワクワクしたりもしますが、興味がないことならなんでも良いと思いますからね。
商品なりサービスを提供する場合には、誰に対して提供するかによって種類を多くしたり少なくしたりする必要がありそうです。
さいごに
「決断」というと人生を左右することのような意思決定にも聞こえてきますが、ほんの些細なことでも毎日何千もの「決断」をしているわけです。
少しでも選択する回数を減らして、心や生活に余裕を持てるようにしましょう!