ChatGPTでLINEスタンプが作れる、という話はもう珍しくなくなりました。
2026年の春に画像生成の性能が大きく上がってからは、「何十個も一気に作れた」「背景を消すところまでChatGPTで終わった」という話もよく見かけます。
実際、1枚それっぽい画像を作るだけなら、本当に数十秒で終わるんですよね。
私もChatGPTを使って、2つのアカウントで合わせて6シリーズほどLINEスタンプを作ってきました。
そのうえで、正直に言います。画像を作ることと、LINEスタンプを完成させることは、まったく別の作業です。
例えば、私は「何をするにも動きが大げさな三毛猫」というコンセプトのスタンプを作成しました。
1枚目はかわいい。2枚目も悪くない。ところが3枚目で、三毛の模様の左右がまるごと入れ替わっていたんです。4枚目は目が少女漫画みたいにキラキラしていて、5枚目は手が4本あった(笑)。

この記事では、ChatGPTでLINEスタンプを作るときの全体の流れと、AIで作ると必ずぶつかる壁、そしてなぜそれが起きるのかを、実際に作った経験をもとにまとめます。
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Roy
先に結論:ChatGPTでスタンプを作る流れ


全体はこの7ステップです。
- キャラクターのコンセプトを決める
- 基準になる1枚を作る
- セリフとポーズを、作る前に全部決める
- 画像を生成する
- 崩れた部分を直す
- LINEの規定サイズに仕上げる
- 申請する
このうち、多くの記事が詳しく書いているのは4番だけです。
でも実際に時間を取られるのは、1〜3番の準備が足りなかったせいで起きる、5番の「直す作業」なんですよね。
ChatGPTと、公式の「LINEスタンプメーカー」どっちで作る?
作り方の前に、道具選びの話をしておきます。AIでスタンプを作るなら、選択肢はChatGPTだけではありません。
LINE公式のスマホアプリ「LINEスタンプメーカー」も、ここ1〜2年でかなり進化しています。


2025年7月にはApple Intelligenceを使った作成機能が入り、2026年6月30日には、写真8枚からスタンプを自動で作る機能も始まりました。
ざっくり分けると、こういう違いがあります。
- とにかく手軽に、まず1セット出してみたい
- ペットや家族の写真からスタンプを作りたい
- サイズや形式のことを考えたくない
- オリジナルのキャラクターを作りたい
- 世界観やキャラの性格まで作り込みたい
- 8個以上、しっかりしたセットとして販売したい
公式アプリは、作成から申請までスマホだけで完結するのが強みです。
ただ、アプリが用意した枠組みの中で作ることになるので、キャラクターを一から作り込むのには向いていません。
逆にChatGPTは自由度が高いぶん、キャラを揃える、サイズを整える、といった作業を自分でやる必要があります。この記事は、ChatGPTで作る前提で進めていきます。
始める前に知っておきたいこと


プランによって、作れる枚数に上限がある
ChatGPTの画像生成は、契約しているプランによって作れる回数に上限があります。1セットは最低でも8個、多ければ40個。しかも実際には、失敗して作り直す分も必要になります。
気に入らない画像を何度も作り直していると、あっという間に上限に達して「しばらくお待ちください」になる。作り始めてから気づくと地味にストレスなので、自分のプランでどれくらい作れるのか、先に確認しておくのがおすすめです。
AIで作ったスタンプでも、販売はできる
LINE Creators Marketのガイドラインを確認した限り、AIで生成した画像を禁止する記述はありません。実際、AIで作ったスタンプは普通に販売されています。
ただし、審査では他人の権利を侵していないかがしっかり見られます。AIが有名なキャラクターに似た絵を出してきたら、それはAIで作ったかどうかに関係なくアウトです。このあたりは、絵が描けない人向けに書いた別の記事で詳しく触れています。


最初は8個からでいい
LINEスタンプは8個から40個まで選べます。この記事では40個を作る前提で書いていますが、初めてなら8個から始めて、一度申請まで通してみるのが一番の近道だと思います。流れは個数が変わっても同じです。


ステップ1:キャラクターのコンセプトを決める
いきなり「かわいい猫のスタンプを作って」と頼むのではなく、最初にキャラクターの性格を決めます。
私の三毛猫なら「何をするにも動きが大げさ」。たったこれだけでも、あとでセリフやポーズを考えるときに、判断の軸ができるんですよね。
コンセプトがないまま作ると、どのスタンプも「キャラが立っていて横に文字がある」だけになりがちです。今はAIで作られたスタンプが大量に並んでいるので、それだけだと埋もれてしまいます。
ステップ2:基準になる1枚を作る
次に、キャラクターの基準になる1枚を作ります。
ここは時間をかけていいところです。この1枚の出来が、その後のすべてのスタンプに影響するので。顔、体型、耳、配色、線の太さ。「このキャラなら40個作りたい」と思えるところまで作り直してください。
ここで「まあ、これでいいか」と妥協すると、その微妙なキャラを40個作ることになります。



ステップ3:セリフとポーズを、作る前に全部決める
一番飛ばされがちで、でも一番効いてくるステップです。
画像を作りながら「次は何にしよう」と考えていると、ほぼ確実に似たポーズばかりになります。両手を上げる、次も両手を上げる、角度を変えてまた両手を上げる。
40個並べたら、ほとんど同じ絵になっていた、というのはよくある話です。
それに、作りながら考えていると、1枚作るたびに手が止まるんですよね。40個分の「次は何にしよう」は、想像以上に時間を食います。
なので、画像を1枚も作らないうちに、40個分のセリフとポーズを全部決めてしまう。私はこのやり方に変えてから、制作のスピードがまるで変わりました。
ステップ4:画像を生成する
準備ができたら、いよいよ画像を作ります。
ここで気をつけたいのが、頼み方です。「さっきと同じキャラで、次は走っているポーズ」とだけ頼むと、ほぼ確実にキャラがブレていきます。
このあと詳しく書きますが、この頼み方こそが、キャラが揃わない最大の原因なんですよね。
同じChatGPTを使っていても、頼み方ひとつで結果はまるで変わります。
ステップ5:崩れた部分を直す
AIで作ると、「ちょっと惜しい」画像が大量に出てきます。顔は完璧、ポーズもいい。でも足がおかしい、みたいな。
厄介なのは、それを直そうとして作り直すと、今度は足が直ったかわりに顔が変わってしまうことです。
直すたびに別のところが崩れて、いつまでも完成しない。ここで心が折れる人は多いと思います。
「作る」より「直す」ほうが時間がかかる。AIでスタンプを作ると、たいていこうなります。
AIで作ると、ほぼ全員がぶつかる7つの壁
ここからは、僕が実際にぶつかった壁です。作ってみた人なら、たぶん1つ残らず「あるある」だと思います。
1. キャラの顔や体型が、数枚でブレる
一番大きな壁です。1枚目と5枚目で、顔の丸さ、耳の長さ、体型が微妙に違う。1枚ずつ見れば気にならなくても、40枚並べると別のキャラに見えます。
スタンプショップで一覧を見た人に「なんか統一感ないな」と思われたら、それだけで選ばれなくなるんですよね。
2. 目が勝手にキラキラになる
これ、本当によくあります。黒い点だけのシンプルな目で作っていたのに、ある1枚だけ急に少女漫画のような目になっている。
ChatGPTは放っておくと、目をかわいく「盛って」くる傾向があるんです。
3. 手が4本になる
大きく動くポーズほど起きます。腕を振っている勢いを表現しようとして、残像のように手が増える。
そのままでは使えないので、作り直しになります。
4. 模様や配色が入れ替わる
三毛猫や柄のある動物で特に起きます。模様の左右が逆になったり、オレンジだった部分が黒になったり。
色も、同じ茶色のつもりが赤っぽくなったり黄色っぽくなったりします。
5. 文字が崩れる・誤字になる
画像生成の性能が上がって、文字もかなり正確に入るようになりました。それでも、小さい「ゃゅょ」や濁点、長音、漢字はまだ崩れることがあります。
LINEの審査では誤字・脱字が意外に多いリジェクト理由として公式にも挙げられているので、申請前に全部目で確認してください。
6. 似たポーズばかりになる
AIは放っておくと、無難な「両手を上げる」「立って笑う」に寄っていきます。
ステップ3を飛ばすと、ほぼ確実にこうなります。
7. ロゴっぽいものが描き込まれる
AIは、服や小物にロゴのようなマークや文字を、それらしく描き込むことがあります。LINEの審査では、ブランドロゴやお店のロゴが写り込んでいるとリジェクトの対象になります。
本物のロゴでなくても、ロゴに見えるものは消しておいたほうが無難です。
なぜ、キャラが揃わないのか
ここが、この記事で一番伝えたいところです。
AIでスタンプを作るとき、ほとんどの人が「同じキャラで」とお願いします。私も最初はそうでした。
でも、この「同じキャラで」という言葉は、AIにはほとんど伝わっていません。
AIは、毎回ゼロから絵を描いています。「同じキャラ」と言われても、どこまでが同じであるべきで、どこを変えていいのか、AIには分からない。
だから、そのたびに少しずつ違う解釈をして、少しずつ違う猫を描いてくる。
さっきの7つの壁も、根っこは全部同じです。目がキラキラになるのも、手が増えるのも、模様が入れ替わるのも、AIが勝手に「こうしたほうがいいかな」と判断した結果なんですよね。
つまり、数枚でブレるのは、AIが下手だからではありません。こちらの伝え方が、AIに判断の余地を残しすぎているからです。
逆に言えば、伝え方を変えれば、ブレはかなり抑えられます。僕も6シリーズ作る中で試行錯誤を重ねて、最終的に「絵のスタイルシート」を使うやり方に落ち着いてから、ブレ方が目に見えて変わりました。
実際に、そのやり方で作った三毛猫のスタンプを並べるとこうなります。


どうやってここまで揃えているのかは、この記事の最後で紹介するnoteにまとめています。
ステップ6:LINEの規定サイズに仕上げる
40個そろったら、最後にLINEに申請できる形に整えます。実はここで止まる人がけっこういます。
静止画のスタンプに必要なのは、スタンプ画像(最大370×320px)、メイン画像(240×240px)、トークルームタブ画像(96×74px)の3種類。どれもPNG形式で背景は透過、上下左右に10px程度の余白が必要で、幅と高さは偶数にします。
ChatGPTで作った画像は正方形などの決まった比率で出てくることが多いので、比率の違う3種類のサイズに、それぞれ切り抜く必要があるんですよね。サイズの詳細はこちらの記事にまとめています。


この仕上げの作業が面倒だったので、専用のツールを作りました。
スタンプサイズメーカーは、書き出しが最初から370×320に設定されていて、画像を画面上で動かしたり拡大縮小したりして位置を決めるだけのトリミングツールです。


見切れてはいけない範囲が色で表示されるので、余白を目分量で測る必要もありません。無料で、スマホのブラウザだけで使えます。
もし、動くスタンプに挑戦するなら、連番の画像をLINE用のAPNGに書き出せるアニメスタンプメーカーもあります。


ステップ7:申請する
画像がそろったら、LINE Creators Marketから申請します。
申請の前に、もう一度だけ確認してほしいのは、誤字がないか、ロゴに見えるものが描き込まれていないか、既存のキャラクターに似ていないか、の3つです。
どれもAIで作ったときに起きやすく、しかも審査で指摘されやすいところなので。
リジェクトされても、理由は管理画面のメッセージセンターで確認できて、修正すれば再申請できます。ただ、避けられるものは最初から避けたほうが、時間の無駄がありません。
よくある質問
「作れる」から「揃う」へ
キャラクターを揃える具体的な方法は、noteの有料記事にまとめました。僕が6シリーズ作る中で、実際にたどり着いた手順です。
- 文字のスタイルシートの作り方と、絵のスタイルシートへの落とし込み方
- 毎回指定している項目と、その書き方
- 40個のセリフとポーズを、作る前に一気に設計する方法
- 崩れた部分だけを直す指示の出し方
- 統一感のチェックの仕方と、申請前の最終チェックリスト
- そのままコピペして使えるプロンプト14本
「作れたけど揃わない」で止まっている人には、たぶん一番役に立つ部分だと思います。


最初の1枚は、急がなくていい
ChatGPTのおかげで、絵が描けなくてもLINEスタンプを作れる時代になりました。これは本当にすごいことだと思います。
ただ、1枚作れることと、40個の商品として完成させることの間には、思っている以上に距離があります。
その距離を埋めるのは、プロンプトのテクニックより、作り始める前の準備なんですよね。
キャラのコンセプトを決めて、基準の1枚を丁寧に作って、セリフとポーズを先に全部決める。
まずは、あなたのキャラクターの「基準の1枚」を作るところから始めてみてください。








